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短編

イッテンモノ

 
 ←episode1「ドタキャンされた男」 →むーちゃん
「重たい!」
 ミワコは川沿いの道を歩きながら、夜空を見上げた。

***********


 人込みですれ違った女性の指がきらりと光った。僕は女性の後を追いかけた。あの指輪、一週間前から音信不通になっている彼女にプレゼントしたものだ。それを何故、あの女性がしているのだ?

 彼女への初めてのプレゼントをするため、緊張しながらショーウィンドウを覗き込んでいた僕に、初老の男性店員は言った。
「お客様、これ、オススメですよ」
 店員が指差していたのは、やたらにキラキラと輝く石がついている指輪だった。
「手作りの一点ものなんです。この石、とても輝いているでしょう? 滅多に手に入らないものなんです」
 値段を確かめると明らかに予算オーバーだったが、思いきって奮発することにした。

 指輪を見てとても喜んでくれたのに、彼女の携帯電話は、その後留守電になったままになってしまった。僕は高価な指輪をつけた彼女が何かの事件に巻き込まれたのではないかと、心配していたのだ。
 間違いない。さり気なく近づき、指輪を確認して確信した。

***********


「大丈夫なのかよ、そいつ、まだいるの?」
「うん、ずっと異様な目つきで私の様子をうかがってたの。まだ外にいるみたい」
 女性は家に帰るなり、彼氏に電話をした。
「最近、誰かにつけられてるような気がするとか言ってたじゃん。そいつなんじゃないの?」
「かもしれない。怖いよ」
「仕事終わったら行くから、ちゃんと戸締りしとけ」

***********


 指輪を持っている理由を聞かなければ。でも、あの女性が事件の関係者だとすれば、接触するのは危険なのでないか? 混乱していると、電柱の陰から黒装束の男が飛び出してきて、女性の部屋へ突進していった。思わず後を追った。

***********


 チャイムが鳴ったので、彼氏が来たと思い、確かめもせずにドアを開けた。黒装束の男がなだれ込んできた。叫ぶよりも早く、口をふさがれる。元彼だった。その背後に、ずっとつけてきた怪しい男が見えたと思ったら、元彼を突き飛ばした。頭を打ったのか、元彼はそこで失神した。
「指輪のことなのですが……」怪しい男は小さく言った。

***********


「こんなのもらうの重たいんだよねー」
 ミワコは指にはめていた指輪をはずして川に投げようとしたが思い直し、すれ違った若い男に「これ、あげる」と差し出した。男はきょとんとしていたが、
「彼女にでもあげたら?」
 と押し付けた。一週間前のことだった。






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